お腹を壊しやすいあなたに

今日はお腹を壊しやすいあなたへ向けて、下痢についてお話しします。

下痢と言っても、痢疾(りしつ)と言われるものと泄瀉(せっしゃ)と言われるものの大きく2つに分かれますが

今回は鍼灸がとても有効な『泄瀉』についてご説明します。

痢疾・・・・・・腹痛があり、何度もトイレに駆け込むもの、トイレに行ってもどんどんひどくなるもの、赤や白などの便が出るものについて言います。
(赤痢やコレラなど)

泄瀉・・・・・便の形に変化があったり、回数に変化があるものでトイレに行くと良くなるものです。そのため、下痢も便秘も泄瀉に属します。

泄瀉で嘔吐があるものは胃が、
泄瀉で水分が多いもの(下痢)は脾と小腸が、
水分の少ないもの(便秘)は大腸が主に関係しています。

~泄瀉の病因~

①食滞(食べ過ぎなど)によるもの
②気滞(ストレスによる肝脾不和)によるもの
③脾胃虚弱(山根くん)
④湿熱(感染症)によるもの
⑤寒湿(寒さや雨などの湿気)によるもの
⑥腎陽虚(体質や病後や疲労で体を温める機能が低い状態)によるもの

泄瀉と一言で言っても、上記のようにその病因によって治療の仕方が変わってきます。
同じ下痢でも、薬で症状を抑え込んでもまた繰り返しなってしまうのは生活習慣や環境などで体質がそのようにつくられてしまっているからです。

例えば、あらゆる症状を起こす『湿』と呼ばれる体の中にたまる湿気ですが、これは雨の日の湿気だけではなく、炭水化物、特に甘いものが好きな人によく溜まります。
甘いものは消化するのにとてもパワーが必要なので、とり過ぎると体の中にたまって、あらゆる症状を起こします。

湿はその性質上、ネバネバしていてなかなか取れずそこに残ります。湿は体の重さや、たまる場所によりだるい痛みも引き起こします。また、湿がたまると脾が弱るので、皮膚が黄色くなってしまいますので美容面でもあまりよくありません。他には、生ものや冷たいもの(お寿司や生野菜やアイスなど)も摂りすぎるとやはり体に溜まり、寒湿となってしまいます。

日本は海に囲まれていて、湿気の多い国なので体にこの湿はたまりやすくなっています。

治療でこの湿を取り除き、脾を強くしてあげることで、下痢を起こしにくく皮膚は透明感(本来のその人の顔の色)を取り戻し他の症状も繰り返さなくなっていきます。

治療を受けられたあと、顔色が良くなったり体が軽くなる、痛みがなくなったりするのはこの湿がとれて血行がよくなっている証拠です。

下痢なのに首肩を治療されて治った
下痢なのに足を治療されて治ったという不思議な現象はこの概念が根本にあります。

繰り返すあなたの下痢
ぜひ本当の原因を究明しましょう!

患者様から、湿を取ってくれる食べ物についてご質問をいただきましたので記載しておきますね。

日頃のお食事に取り入れて、体調を改善しましょう!

【下痢に良い食べ物】

形がなく腹痛があり、冷えがあり、あたためたりなでると気持ちよく感じる下痢の方・・・・うるち米・長いも・乾燥した生姜

形がなく、朝の下痢・腹痛があり、足腰に冷えがある方・・・・干しシイタケ

形がなく、緊張すると下痢をする方・・・・・・・オレンジの皮

形があり、食欲不振があり、お腹がはり、疲労感のある方・・・・栗

形があり、悪臭があり、お腹がはり、ガスが多い方・・・・・白菜・大根・こんにゃく

―引用-

「実用中医薬膳学」 辰巳洋著 東洋学術出版社

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