季節にあった養生法


バタバタしている間に早半年が経ってしまいました。



今回は、季節に合った養生法と前回にあったお食事のお話について軽く触れていきたいと思います。


◎春の三カ月間を、『発陳』といい、それは『すべてのものが発生し、つらなる季節』だと言われています。


この時にあたっては、人々は夜更かしせず早く床に入り、朝は早く起きてゆるやかに庭を歩くようにすることが大切だと言います。


肉体的には、急な労働をしたりすることなく


精神的には、冬の間に深くしまい込んでいた志を起こさせてやり、万事のびのびとさせて削ぐことなく与えて取り上げることなく、


褒めても罰することなく、このようにすべてをゆったりとのびのびとさせておく

つまりは、『春は引き締めて制御するということのないような心身の使い方をすべきである』ということです。

この養生法に逆らって心を緊張させたり、急激な労働をすると

春に盛んに活動する肝の臓が障害されて病となる。即ち、夏の万事成長の気力が減少してくる結果、病が表面に出てきます。(イライラ・のぼせ・頭痛)

※春の養生法を守らなければ、陽気が閉じこもってしまう。



◎夏の三カ月間を、蕃秀といいそれは『花咲き栄える季節』です。

この時にあたっては、人は夜更かしすることなく、朝は早く起床し、日の長いのにあぐむことがないようにする。


精神的には、志を高ぶらせることなく、のびのびとすること。


肉体的にはうっとうしさを除いて、陽気を体外に拙らしてやる。この時には全て発散させるように石、鬱積することのないように気を付ける。

この養生法に逆らって心をうつうつとさせたり、体に鬱熱させたりすると、夏に盛んに活動する心の臓が障害されて病となる。たとえすぐに発病しなくても、秋が来るとこれが原因となりおこりうる。即ち、夏に受けた障害が元になって秋の収斂の気力が減少する結果、病が表面に出てきます。(動悸・冷えのぼせ・熱中症)

※夏の養生法を守らなければ心の力が抜けて不足し、虚してくる。



◎秋の三カ月間を、容平と言います。それはものの形が定まる季節であります。


この時にあたっては、早く寝て早く起きること。志を安らかにして、あれもしなければならなかった、これもしなければならなかった。


などと心の中に欲望を押し込めるようなことをせず、遂げ得なかった志を悔やむことなく、心をゆったりとさせる。


精神を落ち着かせて、秋の天地の粛殺の気が身体を損なうことのないようにし、志を遂げようとしてやたらと動き回り、冷えを受けて肺の臓を冷やすことがないようにしなければならない。

もし、この養生法に逆らって、むやみに精神動揺させたり、あるいは秋の冷えにあたりながら過労したりすると、秋に盛んに活動している肺の臓が障害されて病となる。たとえすぐには発病しなくとも、冬が来るとこれが原因となって下痢を起こす病となる。

それは、秋に受けた障害が元になって、冬のちゅう蔵の気力が減少する結果、病が表面に出てきます。

※秋の養生法を守らなければ、肺気が発散してしまい熱気が胸に充満することになります。(咳・便秘・皮膚トラブル)



◎冬の三カ月間を、閉蔵といいます。それはもろもろの門戸が閉ざしてとじこもる季節です。


この期間は、夜は早く寝て、朝は遅くまで寝て、日が昇ってから起き、寒気に損なわれないようにしなければならない。

精神的には気を静めて、何かしなければと思う志などは伏せ隠し、ひそかな心持で、つねに満足していなければならない。

肉体的には直に寒さにふれぬように、また体を温かく保つように注意すること。過労して汗をかくなどして陽気をたびたび逃がしてしまうことのないようにする。

この養生法に逆らって精神を忙しく動揺させたり、寒に触れたり、過労して発刊し、陽気をたびたび逃がしたりすると、冬の主役である腎の臓が障害されて発病する。たとえすぐに発病しなくても、春になるとこれが原因となって手足が冷える痿厥(いけつ)という病になる。

これは冬に受けた障害が元になって、春の発生気力が減少する結果、病が表面に出てきます。(骨や耳のトラブル・おねしょ・冷え性)

※冬の養生法を守らなければ、腎気だけが打ちに深く入って他の臓腑の気と遊離した状態になる。



引用:新釈・小曽戸丈夫 『素問』たにぐち書店 2016年12月20日



これらの季節の養生法を日ごろから守って生活することで、健やかに毎日を長く生きることができるというものです。


こういった季節の流れに合わせて、私たちは取り入れるもの、心のもち方、ふるまい方を常に合わせて変えていく必要性があり

その季節ごとの旬のものを摂取することで体の助けになってくれるとされています。


ちなみに、五行色体表では

春は『青』となっていますので青い食べもの(菜の花・春菊・小松菜・ほうれん草・アスパラガス・タラの芽・ふきのとう・セリ・シソ・ミント・アジ・サバ・イワシ)などを


夏は『赤』となっていますので赤い食べ物(トマト、人参、赤ピーマン、クコの実、マグロ、カツオ、牛肉、豚肉など)を


秋は『白』となっていますので白い食べ物(蓮根、かぶ、大根、里芋、長芋、梨、くわい、鶏肉、白身魚などを白い食材、みずみずしい果物)をたくさん食べ、粘膜を刺激しやすい薬味類や甲殻類は控えめにしましょう。白い食べ物は体液を増やし、肺に潤いを与えることで、のどや鼻、肌のトラブルを防ぎます。また、肌トラブルを防ぐために熱を冷ます食材(トマト、うり類、なすなど)も摂りましょう。


冬は『黒』となっていますので黒い食べ物を摂るとよいと言われております。(きのこ類、きくらげ、昆布、ひじきなどの海藻類、ごぼう、黒ごま、黒豆など)また、体を温める食材をとりながら、柚子、みかん、きんかんなどのかんきつ類で風邪予防。


その調理法などについても、また詳しく書き綴っていこうと思っておりますのでお楽しみにお待ちください!

 



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